千葉出身のヒップホップユニットROCASENより、ISSAC(アイザック)が待望のソロアルバムをリリース。
兄KASAPONEがDJを始めたことをきっかけに、それならばRAPPERをと、14歳で初ステージを踏む。今は無き千葉CLUB GRAND ROOTS。爆音の密室、暗がりに立ち込める煙に混じる色々な匂い、妖しい光の波がフロアを包み込む。エロ本から飛び出してきたような、キレイなお姉さま達と、大体悪そうなグレたお兄さま達を目の前にして、"オレが1番"的なことをRAPしたあの夜から、20年以上RAPし続けてきた。ROCKASEN関連作品や数々の客演作品はあれど、ソロアルバムは自身初となる。
タイトルは「RESUME」。読み方と意味は、動詞と名詞で二通り。レジュームまたはレジュメ。
20年という時の流れは、それ相応の経験と結果をもたらしてくれた。
その結果、"オレは2番"だった事に気付き、世界中の2番な兄弟姉妹達に向けた「NO.2」を筆頭に、千葉の同志CHAPAH(GAME BOYS)をフューチャーした「VICTIMS」では、企業バーサーカーと化した相見積もりの鬼達へモラルハザードの警鐘を鳴らし、まさに"レジュメ(履歴書)"なるPV曲「SOMEBODY SAID」では、自身の表裏のキャリアを振り返り、ほぼミラクルで何とかなってきた約20年間を以て、令和を生き抜く奇跡のメソッドを提唱しており、夢を売るRAPPERにとって、身も蓋もないような現実を綴った楽曲が中心だが、最終的に救いのあるポジティブなオチを全曲に備えており、己を積極的に肯定しつつ、どこかで客観することは、時代をサバイブするにあたって、最も重要な行為として結論付けている。
トラックメイカー陣には、BUSHMINDを中心に、DJ HIGHSCHOOL、OWLBEATS、MAD KRANKEを迎え、客演陣には、前述のCHAPAHに加え、RCslumのMIKUMARIとMC KAHZZ、海外からM.O.Pを招聘し、盟友MIKRIS共にフィナーレを飾る。
マスタリングはAZZURRO氏が担当。心地よいうねりが、更なるインパクト、グルーヴを生み出した。
『RESUME』/ ISSAC 最高にクールな友、ATOSONE率いる名古屋のレーベル、RCslumより満を持して登場。
10 曲目にブルックリンのレジェンド M.O.P.が参加しているのに驚く。が、それだけではない。ISSAC のファ ースト・ソロ・アルバムはビートとラップが、日本語ラップ/トラップ/ブーム・バップという既存の形式にと らわれていない。ヴィンス・ステイプルズ『Big Fish Theory』がそうであるように、まずリズムとサウンドが刺 激的だ。ROCKASEN のメンバーであり、本作の多くのビートを制作する BUSHMIND の存在も大きいのだ ろう。サイケデリック・B・ボーイの異名を持つ BUSHMIND は近年、テクノをプレイする DJ スタイルを追求し ている。そんな彼の鮮やかなビートをはじめ複数のビートメイカーのビートと、(言葉だから)意味もあるが、 意味よりは音としてのユニークさを優先するかのような ISSAC のフロウとの相互作用がスペーシーな音像 を作りだす。ヒップホップの自由を感じる 1 枚だ。“F”
ISSAC(アイザック)
1983年生まれ。千葉出身のRAPPER。ISSAC、TONAN、BUSHMINDから成るヒップホップユニット、ROCKASENのメンバー。自身関連作品ではトラックメイカー、エンジニアとしても参加している。RCslumからリリースされた自身初のソロアルバム『RESUME』ではアレンジャー、ミキサーも兼ねた。